指揮者の力量
香港フィルは先週1週間American Ballet Theater の公演の音楽をピットで担当してました。
リヒャルト シュトラウスの
“ホイップクリーム”
と言うバレー。
曲もかなり難しかったけど、それなりにやり甲斐があって楽しかった。
今回びっくりしたのは、本番しか振らない指揮者が出てきた事。何も知らない私はスタンドパートナーに弾く直前、
“今日指揮者病気なの?
あの人誰?”
と質問責めにしてしまった。
今回のバレーには2人指揮者が居たそうな。その指揮者は毎回リハには出席していたのでアシスタントかと勘違いしていたら、本番を振る指揮者だった!
うちらと一回もリハーサルで合わせてないのに、しかもダンサーとも合わせないといけないのに、大丈夫か?と心配した。
が、この指揮者、
“OK,let’s do it!”
とオケのメンバーに言って指揮台に駆け上がる。そして華々しくryou両手を広げて会場の人たちにお辞儀をする。役者さんのようだった。
指揮を降り出したら全身で音楽を語り出した。小さいオケのミスなんて気にしない。大きな音楽の流れをからだ全身で表現している。時にはダンサーと一緒に踊ってたりもする。
彼が音楽に息を吹きかけて音楽が動き出した。
決して彼は細かいビートを振らない。激しいところは大きなジェスチャーをからだ全身で見せる。
柔らかいところはまるでアクターのように顔も柔らかい雰囲気を出す。
1幕があんなに短く感じたことなかった。
彼は音楽を知り尽くしていて、難しいところは決して外さない。アンサンブルの難しいところはシンプルにかつ明確に指揮を私たちに見せた。
音楽の大きな流れが大切と言うことを再認識させてくれた。身体全身で音楽を表現する指揮者と共演して気が引き締まった。
4月9日のリサイタルまで頭切り替えて頑張ろう!