大人のレッスンの臨み方
今日は大人の練習について。
大人は子供と違ってレッスンに対して違った臨み方が必要になる場合があります。子供は大人とくらべて身体だけでなく心も柔軟であることは否定しがたい事実。だからこそ大人は楽器の習得をためらいがち。しかし子供の楽器の上達のスピードが速いのは恥ずかしがらずに素直に何でも聞くことができる態度にあります。逆にいえば大人も子供と同じようにレッスンに臨めば上達のスピードが速くなること請け合いです。
では具体的にどのようなことに気をつければいいのか。
間違いを指摘されることへの抵抗感をなくす
大人になると人に注意されることはぐっと少なくなりますね。’もう大人なんだから’という言葉には大人は物事をきちんとやって当然というニュアンスがあります。大人の方のレッスンの最大の障害はこの’大人なんだから’を楽器のレッスンにまで広げてしまうことです。
すなわち”間違ってはいけない(大人なんだから)”、”馬鹿にされたくない(大人なんだから)”と思ってしまうことです。これが上達のスピードを下げます。バイオリンに限らず楽器の練習では間違いをどれだけ修正できるかが、に時間のほとんどをさくわけです。間違う、先生に指摘される、修正する、正しい弾き方を覚え少し上達する、そしてまた間違うというサイクルを繰り返して上達していくので、最初に間違わないと上達のサイクルの最初の一歩が踏み出せません。
間違いを早く発見し、それを修正していくか。そのためには間違いを認める勇気、恥ずかしさを怖らがない勇気が必要です。大人になれば誰でも’自分は間違えている’と認めるのは困難なものですが、その心のハードルを超えてしまえば思った音を出せるようになるまでそう時間はかからないでしょう。
先生は生徒を馬鹿にしない、と信じる
間違いを早く認識することが上達に不可欠であるなら、間違いを指摘する教師側にも力量が求められます。特にバイオリンなど絃楽器はピアノなどと違って音が出せるようになるまでにけっこうな時間がかかります。レッスンを始めた頃は自分で聞くのもいやになるような音がでるでしょう。先生が弾く音とはあまりにも違いすぎて、同じ楽器を手にしているとは思えないかもしません。
しかし、その上手な音を聞かせている先生も生徒と同じような時期があったわけです。生まれつきバイオリンの音を綺麗に出せる人はいませんから。忙しい時間を割いて練習をしてきた生徒に対して先生は、尊敬の念は抱いてもバカにしたりは絶対にしません。むしろそんな先生がいたらそれはあなたの上達を阻害する先生ですから即座にレッスンをおやめになって新しい先生を探してください。疑問があれば先生に何でも聞きましょう。むしろ先生は生徒からの真剣な質問を心待ちにしているものです。
間違うことを怖らがない、間違いを指摘されることを恥ずかしがらない。これが大人のレッスンで一番大切なことです。それができるなら、大人は頭を使って練習方法を工夫したりできるので子供よりも上達のスピードが速くなることもあるのです。素直な子供の心でレッスンに臨み、どんどん上手になりましょう。