Tomoko’s Violin Diary 第一章バイオリン物語12
ーオケスタで大事なこと
1: 音程が正確であること
自分の音程が正確でないと、100人一緒に同じ曲を弾く時にアンサンブルを壊すことになる。さらに同じセクションで14人のバイオリン奏者が同じ音を出す時に音程が自分だけズレていたらセクションの音楽をぶち壊すことになる。一人ができないと、全員が迷惑を被るわけである。せめて、自分の音程が外れている時はそれを瞬時に察知し、弾くフリだけをして、音を出さない様にすることが出来ないといけない。間違った音を出されるよりは、消える方がみんなのためである。そのためには正しい音程がわかっていなければいけないから、1、2分のオケスタくらいで外したらオケには入れませんよ!!ということだ。音程もソロを弾く楽器によって、高めにとる人、低めにとる人と様々いて、その時によって伴奏者はそのソロ奏者の音程に瞬時に合わせなければいけない。この点からしても、独りでオケスタ弾く時くらい音程取れていないといけない訳だ。
2:リズム、テンポが正確であること
同じリズムで100人が弾く時にリズムの感覚がズレていると、これまた一人だけ浮いてしまい、周りに迷惑をかける。リズムに強い人は、オケで大活躍をする。
また、どんなに難しいパッセージ(センテンス)を弾いてる時でも、テンポが微動だにブレない人を必ずオーディションでは選ぶ。
同じ曲を弾いているつもりでも、テンポ感が無く一人だけ走ったり、遅くなったりすると、一緒に終われないで、これまた目立ってしまう。
よく指揮者は
’’Even if you play right notes with wrong timing, you still play wrong notes !!’’
正しい音を間違ったタイミングで弾いたら、それは間違った音にしか過ぎない!!
と私たちオーケストラに忠告する。そのくらいみんなと同じテンポで弾くということは大事なのである。
3:自分の周りで何が起こっているか、誰が主旋律を弾いているのかとか瞬時に察知できる能力と、聴ける耳が必要
オーケストラはチームプレーである。サッカーやレストランのキッチン、病院のオペ室と同じで、一人一人がスキルを持ってて、自分の役割をきちんと認識していないと決してうまくいかない。
だからこそ、弾いてる部分がどんな場面なのか、どの役割を果たしているのかというスコアが確実に頭に入っていなければならない。
いいオーケストラになると、ファイナルステージで、弦楽四重奏のオーディションがある。自分は第1または第2バイオリンを演奏し、他の弦楽器奏者はオケの団員が担当し、アンサンブル能力をそこで見る。
もしくは、協奏曲を弾く時にピアノ伴奏者を付けさせて、アンサンブル能力を審査する。